立体的に映像が見える仕組みとは?3Dホログラムの特徴や方法を解説 

近年の技術の発達により、平面だけでなく立体的な映像を映し出すことも可能になってきました。そのなかの一つが3Dホログラムですが、仕組みがどのようなものなのか説明できる人は少ないでしょう。

今回は、立体的に映像を映し出す3Dホログラムの特徴や仕組みについて解説します。本記事を読むことで、最近注目を集めている3Dホログラムの技術がどんどん進化していること、企業への活用方法について知ることができるでしょう。

立体で映像を映す仕組みとは…3Dホログラムの特徴を紹介

3Dホログラムの仕組みを理解するためには、まずは3Dホログラムの基本情報について知っておく必要があります。

3Dホログラムの特徴  

3Dホログラムは、特定の物体を撮影・データ化して特殊なディスプレイに投影することで「空中に立体的な映像を浮かび上がらせる」技術です。次世代の表示デバイスとしてバーチャルなAIアバターや遠隔地の応対者をホログラムでその場にいるように表示します。

一般的な3D映像では「正面」の映像しか立体的に見えませんが、3Dホログラムでは「側面や背面」から立体的な映像を見ることができます。特殊なメガネなどを使用しなくても肉眼で映像を見れる仕組みです。

3Dホログラムのメリット

商品を立体的な映像で映すことで奥行きなど詳細な情報を伝わりやすくできるのも3Dホログラムの仕組みのメリットです。例えば、ブランドのショップで活用することで高級なバッグや腕時計の実物を展示して盗難に遭うこともなくなります。

また、3Dホログラムでの商品の展示は、目新しいものとして人々の目を惹きつけ、あらゆるシーンでアイキャッチとしての有効性が高いので集客率の向上に役立つメリットもあります。

プロジェクションマッピングとの違い  

プロジェクションマッピングは、凹凸のある壁面や、建築物、家具など立体物の表面にプロジェクターで映像を投影する方法で、空間演出の方法として非常に効果的な映像の仕組みです。

規模が大きくないと印象的な効果を出しづらいですが、規模が大きくなればなるほど、コンテンツの作成に時間がかかり費用も高額になるので長期的な継続利用が難しい面もあります。

3Dホログラムは、プロジェクションマッピングに匹敵するぐらいインパクトのある映像を実現が難しくない規模で投影できるという点において違いがあります。

なぜ立体で映像が見えるの?仕組みから活用方法を考えよう!  

立体で映像を映し出す仕組みってどのようなものか気になりますよね。3Dホログラムの仕組みや活用方法について説明します。

3Dホログラムの仕組み  

ホログラフィとは、物体からの光を記録・再生する技術のことで、光の強さだけでなく光の向きも記録することで物体光を完全再現できる理想的な3次元表示技術です。

物体から記録材料に対して反射した光(物体光)と記録材料に対して照射する光(参照光)の記録材料面で起こる干渉で干渉縞という模様ができ、干渉縞を記録した媒体をホログラムと呼びます。

ホログラムの状態ではまだ記録されただけなので、記録材料を見ても何が記録されているのかは全くわかりません。記録媒体に再度参照光を照射することで記録された情報が再生され、立体的な映像が映される仕組みです。

身近に使われているもの  

ホログラムの技術は、私たちの生活においてさまざまなところで活用されています。

例えば1万円札と5千円札の新札には人物が描かれている表面にホログラムが施されています。このホログラムは、偽造が難しいので、お札以外にも金券やクレジットカードなどに使用されていることもあります。

3Dホログラムの活用方法 

3Dホログラムを大きなスクリーンで活用すればアーティストのライブやパフォーマンスを再現することができます。海外アーティストのライブを3Dで撮影することで日本での上映が可能になったり、亡くなったアーティストの伝説のコンサートも再現できます。

そして海外では、3Dホログラムをリアルタイムでの対談や放送に利用している例もあります。今後も技術が進めば、インタビューや企業のミーティングで3Dホログラムが活用され、立体で映像を映す仕組みがさらに身近になっていくでしょう。

【参考:J-STAGE「III.ホログラフィによる三次元画像表示」

今後の活躍に期待!3Dホログラムを映し出す代表的な3つの方法  

3Dを映す方法にはさまざまな種類があり、その一部について紹介します。まだまだ開発途中の方法もあるので、今後も活躍することは間違いないでしょう。

ペッパーズゴースト型 

ペッパーズゴースト型とは、角度を調節した半透明のスクリーンに映像を透過させて光を屈折させ、立体的に映像を投影する視覚トリックを応用した方法で、3Dホログラムに近いものとして、その仕組みは幅広く使われています。

ペッパーズゴーストは、立体的に見える方向が限られてしまっているので、光の当て方や見る角度に制限が多いという課題もあります。

水蒸気スクリーン型  

水蒸気型とは、スクリーンではなく水蒸気を使った3Dホログラムの投影方法です。

水蒸気の光を反射させる特徴を利用して、水蒸気の中に立体的に映像を投影して見せることができます。水蒸気に触れることで映像の変化を楽しめる仕組みですが、風がある場所での使用は、水蒸気が飛ばされてしまうので、屋外で使用する場合は注意が必要です。

ブレード型 

LED光源がついている扇風機のような形状のブレードを高速回転させることで、ブレードの中に立体的な映像を映す仕組みでブレード型と呼びます。

超高速で回転するブレードがLED光源の残像を生み出すので、まるで空中に浮かび上がっているかのように立体映像を投影することができます。

まとめ

3Dホログラムという立体的な映像を映す仕組みやメリットについて紹介しました。

近年の技術の進歩により立体的な映像の投影は可能になりましたが、まだまだ3Dホログラムを日常的に目にする機会は少ないです。取り入れている企業も少ないので、今のうちから導入しておくことで他社との差別化につながるでしょう。

ホログラフィは、1947年に開発されてから研究され続けてきた技術ですが、まだ研究が途中なところもあり、3Dホログラムに似た映像を投影するシステムも開発されているので今後の進歩に期待できそうですね。

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